製剤(体内動態①)


製剤(体内動態①)
下の図はヒトにおける物質A B Cの定時状態時の血中濃度と腎クリアランスの関係を示したグラフである。正しい組み合わせは1〜5のうちどれか。
定時状態時の血中濃度と腎クリアランスの関係を示したグラフ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

A.3

A;グルコース(ろ過・再吸収のみ)→通常ほぼ100%が近位尿細管から再吸収されるため、腎クリアランスは0である。血中濃度の上昇により肉眼再吸収に飽和がおこるので徐々に腎クリアランスが上昇していく。

 

B;パラアミノ馬尿酸(ろ過・分泌のみ)→血中濃度上昇に伴い分泌過程に飽和がおこり徐々に分泌が起こりにくくなるため腎クリアランスは低下していく。

 

C;イヌリン(ろ過のみ)→血中濃度の上昇によっても糸球体ろ過に飽和が生じないため、濃度に関わらずクリアランスは一定である。

 

次の記述のうち誤っているものはどれか。
  • クロピドグレル硫酸塩は、CYP2C19遺伝子多型により体内動態が影響を与える。
  • 肝代謝酵素のCYP2C9遺伝子多型が、ワルファリンの体内動態に影響を与える。
  • 新生児には、血中ビリルビン値の上昇がみられる。
  • 新生児は、体重あたりの水分量が多い。
  • 妊娠後期には、薬物の催奇形性に対する感受性がもっとも高くなる。

A.妊娠後期には、薬物の催奇形性に対する感受性がもっとも高くなる。

薬物への催奇形性が最も高いのは妊娠初期(器官形成期)である。
新生児は体重あたりの水分量が多く、またグルクロン酸抱合能が低いので、血中ビリルビン濃度の上昇が見られる。

妊婦の体内動態の特徴として誤っているものはどれか。1つ選びなさい。
  • 消化管運動が増加する。
  • 体内水分量及び血漿容積が増大する。
  • 肝臓の血流量が増加する。
  • 腎臓の血流量が増加する。
  • 胃酸分泌が低下する。

A.消化管運動が増加する。

血漿中のプロゲステロン上昇により、消化管運動の低下・胃酸分泌の低下が認められる。肝臓と腎臓の血流量が増加しているため血流律速型薬物の肝クリアランス、腎クリアランスが増大する傾向がある。

高齢者の体内動態の特徴として誤っているものはどれか。1つ選びなさい。
  • 胃酸分泌が低下する。
  • 成人と比較して体内総水分量が減少する。
  • アルブミン濃度が著しく低下する。
  • 尿細管再吸収能が低下する。
  • α1-酸性糖タンパク質濃度が低下する。

A.α1-酸性糖タンパク質濃度が低下する。

胃酸分泌の低下により胃内pHが上昇し、塩基性薬物の吸収が増大することがある。高齢者は成人に比べて体内総水分量が減少し、体脂肪が増加する傾向にある。α1-酸性糖タンパク質濃度が増加する。

新生児の体内動態の特徴として誤っているものはどれか。1つ選びなさい。
  • 胃酸の産生能力が低い。
  • 体重あたりの総体液量が成人に比べて大きい。
  • 血液脳関門が未発達である。
  • 薬物代謝能は成人と比べて高い。
  • 尿pHが酸性に傾いている。

A.薬物代謝能は成人と比べて高い。

新生児は胃酸の産生能力が低く、胃内pHが高い(乳児にはほぼ成人値に達する)。薬物代謝能は成人と比べて低い(ただし、代謝酵素活性は生後数週間で急速に上昇する)。尿pHは酸性に傾いているため、成人と比べて塩基性薬物の排泄が増加し、酸性薬物の排泄が遅延する傾向がある。

腎機能低下時に投与量調節を考慮する必要の最も少ない薬物はどれか。1つ選びなさい。
  • 炭酸リチウム
  • ジゴキシン
  • バンコマイシン
  • ミノサイクリン
  • エタンブトール

A.ミノサイクリン

他に考慮すべき薬物として、アミノグリコシド系抗生物質、メトトレキサート、アテノロール、カプトプリルなどがある。

シクロスポリンとの相互作用による影響が最も少ない薬物はどれか。1つ選びなさい。
  • ロスバスタチン
  • ピタバスタチン
  • アリスキレン
  • ボセンタン
  • ワルファリン

A.ワルファリン

1~4はシクロスポリンと併用禁忌であり、1と2は肝取り込み・胆汁排泄過程での相互作用、3はP糖蛋白阻害、4はCPY3A4阻害によるものと考えられている。

薬物動態パラメーターにクリアランス(CL)があるが、その単位として正しいものはどれか。1つ選びなさい。ただし、mgは質量、Lは容量(体積)、hは時間を表すとする。
  • mg/L
  • L/mg
  • L/h
  • h/L
  • mg/h

A.L/h

下記の機器のうち、TDMを実施する薬物濃度測定機器として最も汎用されるものはどれか。1つ選びなさい。
  • 等電点電気泳動(IEF)
  • キャピラリー電気泳動(CE)
  • 高速液体クロマトグラフィー(HPLC)
  • 薄層クロマトグラフィー(TLC)
  • 液体クロマトグラフ-タンデム型質量分析計(LC-MS/MS)

A.高速液体クロマトグラフィー(HPLC)

最も汎用されているのはHPLCである。

薬物の分布容積が全体液量を大きく超えるものはどれか。1つ選びなさい。
  • アンチピリン
  • エタノール
  • エバンスブルー
  • ジゴキシン
  • 尿素

A.ジゴキシン

全体液量を大きく超えるものはチオペンタールやジゴキシン、全体液量にほぼ等しいものはアンチピリン、尿素、カフェイン、エタノール、血漿容積にほぼ等しいものはエバンスブルー、インドシアニングリーンなどがある。




この記事を書いた人

あやちゃむ

薬剤師2年目の社会人。
薬学生時代は何を勉強すればよいのかわからず、模索し、独自の勉強法を確立。そして薬剤師国家試験に一発で合格。
このブログでは受験するうえで身につけた、合格のための勉強法を参考書の単元ごとにまとめていきます。

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