関節リウマチ


関節リウマチ 薬剤師国家試験対策

免疫機構の異常に伴う疾患の代表例でもある関節リウマチ。抗リウマチ薬(DMARDs)では細かな作用機序、メトトレキサートに関しては調剤過誤による事故以来、服用方法について出題されるようになりました。
また、様々な分子標的薬の登場によりさらに国家試験や模試での出題範囲も広がったと言えます。
近年、難問化傾向にある病態でも登場する、国家試験攻略にはマストな範囲とも言えるでしょう。
今回は、分かりやすく解説するために図を多く取り入れてみました。参考書の文書だらけのものでは理解しにくい範囲なので、照らし合わせながら学習することをお勧めします。


まず、関節リウマチは関節の滑膜の炎症を体が異物として認識することで、免疫が働きます。こん免疫が異常に働くことで、関節に痛みや腫れが生じると考えられています。
関節リウマチの特徴的な所見として、
①左右対称性に起こる
②MIP ・PIPにおこる(DIPにはほぼ症状は及ばない)

治療は、金製剤、SH含有化合物、免疫抑制薬、生物学的製剤
分子標的薬
に分類される薬で行われます。

関節リウマチ治療薬

ここからは、治療薬について図を用いながら一気に説明していきます!

まず最初に、異常な滑膜を異物と捉えた抗原提示細胞は、免疫系に’’異物がきた’’ということをシグナルとして伝えなければなりません。その役目を果たすのが、CD80/86です。CD80/86はCD28に向かってシグナルを出します。このシグナルのやりとりをすることで、ようやくMHCクラスⅡがヘルパーT細胞に抗原を提示します。
じゃあ、第一段階として免疫の異常な活性を止めるにはどこを阻害すべきでしょうか?
→そうです、CD80/86からCD28への共刺激シグナルを止めればいいのです。異物がきたことをアピールできなければ免疫反応は始まりませんからね!この役目を果たすのが、アバタセプトになります。
ちなみに”セプト”は”受容体”という意味を表す語尾になります。


さて次に、仮にシグナルを止められずに免疫担当系が活性化してしまったとしましょう。ここに働きかけるのは、前章で述べた、免疫抑制薬シクロスポリンタクロリムスです。
さらに、Ⅲ型アレルギーの特徴でもある自己免疫の異常により形成された免疫複合体。これが炎症や腫れの原因でもあります。形成されてしまった免疫複合体は、分解してしまえばいいのです。ここでSH含有製剤の登場です。

なぜ、SH基含有製剤が使われるのか…。覚えているでしょうか?去痰薬の項目で出てきた〇〇チルシステインの機序です。SH基はとても不安定な構造でしたね。なので、痰の成分を分解するのと同様、免疫複合体に含まれているS -S結合からSを奪うことでSH基は安定な構造となり、免疫複合体は開裂されるのです。
これを担当するのが Dペニシラミン・ブシラミンです。(どちらも語尾が"ラミン”ですね)

では次は、免疫担当の白血球が活性化されてしまった場合を考えます。まず、白血球が刺激されることにより
炎症性サイトカインが産生されます。炎症性サイトカインは’’虫歯いたい’’で覚えましょう。(IL -6481)
それから、TNF-αも炎症性サイトカインでしたね。要はこのサイトカインを止めれば炎症を抑えれることになるのです。
アクリタットはIL-6やTNF-αを遊離するのを抑制します。イグラチモドはB細胞からの抗体酸性を抑制します。インフリキシマブ・アダリブマブ産生されたTNF-αを中和する働きを持ちます。

ところで、インフリキシマブは必ずメトトレキサーチと併用でしたね!なぜだか分かりますか??
ここ、意外と問われたりするので少し頭に入れておいてくださいね!

抗体製剤のイメージとして、語尾が’’キシマブ’’は半分ネズミで半分ヒトの抗体という…まあミッキーマウスのような感じですかね。インフリキシマブをヒトの体内に投与するということは、一部ネズミの抗体も体に入ってしまうというわけです。もちろんヒトはネズミではありませんから…インフリキシマブを’’異物’’として認識してしまうわけです。当然、異物には免疫系が反応してしまいます。これでは治療にはなりませんよね。なので、インフリキシマブに対する異常な抗体の産生を抑制するためにメトトレキサートを用いるのです。

さて、ここまでくればもう一息!
あとは、生物学的製剤を残すのみです。頑張って覚えましょう!


その前に、これまでのイメージが湧きやすいように、関節リウマチ薬相関図を載せておきます。
最後に紹介していくのは、まずトシリズマブ。絶対に引っかからないで欲しいのは、トシリズマブが結合する場所です。IL-6の受容体に結合することでIL-6が活性化するのを阻害します。
それから、サイトカインはチロシンキナーゼを内蔵していますのでチロシンキナーゼを阻害する薬がいりますね。それが、トファシチニブです。これも復習ですが、語尾が〇〇チニブはチロシンキナーゼ阻害作用でしたね!薬の名前は、本当に単純につけられているのでその場で考えて分かる問題もあるのです!
それから、遊離したTNF-αを捕まえちゃう働きをするのがエタネルセプト。語尾がセプトは受容体を意味しましたね。なのでアバタセプトは囮受容体として働くのです。語尾を見れば、薬も整理して覚えることができますし、イージーミスだって防げます。

さて、これで関節リウマチ薬は終わりです。アレ…金製剤は?ってなった方、金製剤は免疫を抑制する働きがあることは知られていますが、どんな作用機序なのか…というのは未だはっきりとわかっていないため、出題されることはありません。こんなのがあったな、というレベルで名前だけ押さえておきましょう。

今回は厚みのある内容になりましたが、この記事を読んで少しでも覚えやすくなったらいいなと思います。
ちなみに、生物学的製剤はこれからどんどん増えていきます。その数は年間約30個ずつは覚えることが増えると言われています。新しいものがどんどん出てくる前に、国家試験合格を掴み取りましょう!




この記事を書いた人

あやちゃむ

薬剤師2年目の社会人。
薬学生時代は何を勉強すればよいのかわからず、模索し、独自の勉強法を確立。そして薬剤師国家試験に一発で合格。
このブログでは受験するうえで身につけた、合格のための勉強法を参考書の単元ごとにまとめていきます。

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