免疫抑制薬


免疫抑制薬 薬剤師国家試験対策

自己免疫疾患は必ず国家試験で問われてくる範囲になります。最近では薬の名前だけ覚えても解けない問題や、実務的な問題、病態は難易度がグッと上がった問題が出題される傾向にあります。今回の記事では、薬理だけでなく、病態や実務的な内容を交えながら記述していこうと思います。自分の苦手な部分だけ読んでもらって構いませんが、この単元はしっかり押さえておきましょう。薬剤師国家試験攻略に大きく関わる範囲になります。


自己免疫疾患が起こる仕組み

そもそも、免疫とは何なのか…。まず、免疫は2種類に分けることができますね!
細胞性免疫と体液性免疫です。この二つ、何が違うのか…曖昧に捉えている人が多いと思います。
まずこの二つに共通しているのは”性免疫”という語尾です。え…?あたりまえじゃん、ってなりますよね笑
…だから二つの違いを表しているのは、その免疫反応に関わっているのが細胞なのか体液なのかです。
余談ですが、受験のコツとして、分からない言葉が出て来たときは共通する部分以外を見分けることです。
その場で考えて分かる問題もちらほら出て来ます。
さて話題を戻して、細胞性免疫の細胞は、T細胞を表しているのは何と無く分かりますね!
では体液性免疫のって??これは、抗体ののことです。つまり、抗体が関わっている免疫反応が体液性免疫ということになります。

では次におさえるべきは、抗体の産生に到るまでのサイトカインの働きです。
サイトカインの相関図を右図に示しました。ここからは、細胞性免疫を抑制するお話になります。この図を見て分かるように、細胞性免疫を抑えるためにはキラーT細胞の活性を促進させる働きを持つIL -2を止める必要がありますね。ここに働きかけるのが免疫抑制薬代表とも言える、シクロスポリンタクロリムスです。

ちなみにこの2つ2018年7月に妊婦に禁忌という文言が外れました。コレは、来年、再来年あたりに国家試験で問われる可能性が大ですね。今年は、頭の隅に入れておきましょう。
ここからが重要!この2つの薬、名前だけ問う問題は出尽くしました。コレからは作用機序について突っ込んでくるでしょう。模試では腐る程聞いてきました(^_^;)
では、シクロスポリンやタクロリムスがどんな作用機序で免疫を抑制するか、説明していきます。


①イムノフィリンはカルシニューリンを抑制する働きを持つ
②カルシニューリンはNF-ATを活性化させる
③NF-ATの略語がわかれば働きが分かる


おさえるべきは、上の3つのポイントです。まず、それぞれがどんな働きをしているのか理解しましょう。
イムノフィリンはNF-ATを活性化させるカルシニューリンを抑制する働きを持ちます。つまり、イムノフィリンを活性化させることはカルシニューリンを抑制することになり結果的にNF-ATを阻害することになります。その前に…NF-ATって何?って話ですよね。コレは、Nucleus=核 Factor=因子 Active=活性化 T-cells=T細胞 の略です。つまり、核を持った(=白血球)T細胞を活性化する因子なのです。よってNF-ATの活性化はT細胞の活性化を促し、自己の免疫を制御できなくなるのです
ここまでわかれば、何をすればNF-ATが抑えられるのか、お分かりですね!
…答えはイムノフィリンの活性化。コレを担当するのが、シクロスポリンとタクロリムスなのです。
細かく言えば、イムノフィリンの中にあるシクロフィリンに作用するのがシクロスポリン(シクロがおそろいですね)、FKBP(シクロフィリンじゃない方で覚えましょう)に作用するのがタクロリムスになります。

さて、ここまではキラーT細胞を抑制させることで自己免疫反応を抑制させる、というお話でした。
さて、もう1つ大事な免疫に関わる因子に白血球があります。生物でも出てきますが、白血球は核を持ちますね。要はその核酸合成を止めることでも免疫抑制作用を示すことができるのです。それが、
アザチオプリン・ミゾリビン・ミコフェノール酸モフェチル・シクロホスファミド
になるにです。もう少し詳しく解説しましょう。

アザチオプリン→プリン骨格を持つことでイノシン酸を奪い取る=DNA合成に必要なイノシン酸の減少は核酸合成の阻害作用
ミゾリビンプリン体は糖からも合成することができます。この経路を攻めるのがミゾリビン。
なので、骨格の中に糖がふくまれていますね!ちなみにミゾリビンは高分子化合物のため、アザチオプリンのようにDNAやRNAの中に取り込まれません。
ミコフェノール酸モフェチル→プリン合成の阻害
シクロホスファミド→DNAのアルキル化で細胞の増殖を阻害する(核がある=増殖能がある)

ポイントは、白血球には核があり、核があるということは増殖する能力がある。
だから、この増殖能を食い止めることが免疫抑制作用につながるということです。
なので、ここに働きかける薬は、核酸合成に必要なプリン骨格への競合作用や、糖からプリン体を作らせなくする作用、できたDNAをこれ以上増やさないようにするためにアルキル化させる…
こういった作用機序で自己免疫に関わる細胞を抑制させているのです。

免疫抑制薬については以上です。次からはここを踏まえながら、自己免疫疾患をコンプリートしていきます!




この記事を書いた人

あやちゃむ

薬剤師2年目の社会人。
薬学生時代は何を勉強すればよいのかわからず、模索し、独自の勉強法を確立。そして薬剤師国家試験に一発で合格。
このブログでは受験するうえで身につけた、合格のための勉強法を参考書の単元ごとにまとめていきます。

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