全身麻酔薬


国家試験 全身麻酔薬 対策

麻酔薬をマスターする前に理解しておくべきは、麻酔薬はどのように体に作用して行くのか…
そこでキーワードとなるのが、不規則性下行性麻痺。漢字が並ぶとイヤですね…。簡単な図にしてみましょう!

<麻酔薬の作用する順番>

※なぜ意識の消失時が発揚期なの?

脳には覚醒するための神経もありますが、もちろん抑制するための神経も存在します。
麻酔薬によって抑制系神経も遮断されていきます。じゃあ、抑制系の神経が遮断されたら?抑制の抑制は…興奮ですね。なので手術時、麻酔により意識は消失しているのに身体だけ暴れるといった事があります。医療系のドラマなんかでもたまに見かけるシーンですよね。それを防ぐために、手術の何日か前から入院して「自分は手術をうけるんだ」と脳に認識させておく…と言った、ちょっと雑学と結びつけておくと覚えやすいですね。 事前の入院も理にかなってるんですね〜。

次は、麻酔薬の種類です

吸入麻酔薬 / 静脈麻酔薬

この2つに分類できます。
しっかりと区別して理解していきましょう!

吸入麻酔薬

薬の名前 長所/短所
ハロタン 長所;作用が吸入麻酔薬で最も強い
短所;心筋のβ受容体の感受性を高めるため不整脈を起こしやすい
イソフルラン/セボフルラン 長所;ハロタンの副作用を改善した
短所;効果はハロタン同様or弱い
亜酸化窒素(N2O) 長所;効果が速やか
短所;酸素欠乏を起こす

※亜酸化窒素の酸素欠乏
構造式からもわかるように、亜酸化窒素は非常に不安定な形で存在しているため、体内の酸素を引っぱっていく事で安定化しようとする。そのため、体の中の酸素が欠乏する状態が起こってしまいます。

☺︎ 血液/ガス分配係数と最小肺胞濃度(MAC)

吸入麻酔薬を勉強する上で最も分かりにくく、かつ重要なポイント。よく出題される傾向にもあるので確実に押さえておきましょう!これもイメージできれば簡単です☺︎

麻酔薬は血液から脳に移行することで効果が現れます。つまり、 脳の薬の濃度が高い=分母が大きいほど速やかな薬効が期待できると言うわけです。よって血液/ガス分配係数は小さい方が作用が速やかだと言うことになります。

吸入された麻酔薬は肺胞→血液→脳へと移行して初めて効果を示します。つまり、いつまでも肺胞の中の薬の濃度が高くては、脳に届くまでのルートは進みません。肺胞の薬物濃度が小さいほど薬が循環しているという指標です。
よって最小肺胞濃度が小さいほど吸入麻酔薬の効果が大きいのです。

静脈麻酔薬

静脈麻酔薬は作用機序ごとに覚えるだけなので数も少なく簡単です!
シンプルに覚えていきましょう!

①バルビツール酸系②GABAAに作用する③グルタミンを抑える

①バルビツール酸系

催眠薬の範囲で出てきたClチャネル複合体の図を思い出してください!
神経を抑制するClイオン濃度を高めることで効果を発揮します。

チオペンタール
チアミラール
①作用時間が短い
他の脂肪組織に 再分配されるため
②ヒスタミン遊離作用がある(気管支喘息の患者には使えない…)なぜ??
➡︎ヒスタミンは
血管拡張・それ以外収縮
という物質と覚えよう!
この考え方は今後の単元でもとっても役に立ちます

②GABAAに作用する

これも、バルビツール酸系と同様。Clチャネルを開口することが目的!
ただしターゲットがClチャネル複合体のGABAA結合部である事がことなるだけです。

プロポフォール ①作用時間が短い
肝臓で代謝されるため
②小児への投与は禁忌

①と②の作用時間が短い理由を引っ掛けてくる問題がたくさんあるので、しっかりと区別して起きましょう!
脂肪組織への再分配なのか、肝臓で代謝されやすいからなのか…ごちゃごちゃにならないように!!

③グルタミンを抑制する

グルタミン興奮系のホルモンになります。①や②のように、抑制系を活性化するのではなく興奮を抑える方に着目した薬物になります。
代表的なものは ケタミン です。

グル タミン➡︎ケ タミン

で覚えましょう☺︎ 作用機序としては、グルタミン酸NMDA受容体非競合的遮断になります。


たった3つのグループをおさえておくだけでも、選択肢はグッと絞られますが、ついでに覚えておいたほうが良い薬をいくつか紹介しておきます。へ〜って言うくらいで頭に入れておいてください!

デクストメミジン→ジンがつくから…?→α2の刺激ですね!NAdの遊離を抑制する事で交感神経の興奮を抑えます。

ドロペリドール→何か似た薬の名前が思いつきませんか?向精神薬で登場するハロペリドールの仲間です。作用機序はハロペリドール同様、D2受容体の遮断により鎮静状態になります。

『余談ですが…この作用に、麻薬であるフェンタニルを加える事で更に無痛状態を作ります。すると、意識の消失なしに手術が可能な状態をつくる事ができます。これを利用して、会話しながら脳神経の手術を行なっていくといった神業のような医者もいるようです。会話ができなくなっったら異常があると判断できるんでしょう。世間からも注目されています。』話題になっている治療はぜひおさえておくといいでしょう。

最後に、麻酔前投与薬についてですが…筋弛緩薬や不整脈予防のプロプラノロール、抗不安薬としてのクロルプロマジンは現在使われていないので、麻酔薬の範囲で参考書に記されていたら斜線でも引いておきましょう。臨床で使われていないものは問題では問われません。




この記事を書いた人

あやちゃむ

薬剤師2年目の社会人。
薬学生時代は何を勉強すればよいのかわからず、模索し、独自の勉強法を確立。そして薬剤師国家試験に一発で合格。
このブログでは受験するうえで身につけた、合格のための勉強法を参考書の単元ごとにまとめていきます。

みんなのコメント

  • 104回受かりた

    いつもとても参考にしております。 忙しい中、執筆等お疲れ様です。 α2受容体はgiだから刺激でノルアド遊離抑制だと思います! チザニジンもジン、ジンで覚えるの参考にしたいです。 勉強になりました!ありがとうございます。

  • みぃ

    デクスメデトミジンはα2刺激→NAd遊離抑制ですね!薬理苦手なのでゴロも入れてくださってるので覚えれるしすごくわかりやすくて本当に助かってます!ありがとうございます泣

  • あやちゃむ

    みぃさんへの返信

    はい!語尾が〇〇ジンなのでα2刺激でNad遊離抑制です!クロニジンの仲間って覚えたらいいと思います! ちなみに、デクストメミジンは103回のヤマだったので104回はまた違う薬が問われるんじゃないかなぁと思われます。いつも薬学日記を読んでくれてありがとうございます!

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