血液系


血液系 国家試験対策

血液、造血系に作用する薬において重要なのは
①止血の機構を理解すること
②どこに作用するのか、正確に把握しておくこと
です。ざっくりキーワードだけおさえると、まんまとひっかけ問題の餌食になるだけです。ここは少々重たい範囲になりますが、一度理解してしまえば得点源となる範囲でもあります。
また、止血の作用機構を理解することで他の分野にも大いに役に立ちます。生体内反応のつながりを楽しみながら学習していきましょう。


一次止血のメカニズム

血小板は上の図にも示したように、3つの因子を放出することで血小板の凝集を促進させます。 簡単に言うと、血小板が「みんな集まれ〜!」と呼びかけているサインですね。 ここまでは、参考書を読めばわかりますが、大事なのはここから!

理解してる?CaチャネルとCaポンプ

血液系だけに関係なく、重要だけど意外とわかってないCaチャネルとCaポンプの違い。 ここが理解できると、薬理を丸暗記教科から考えれば分かる教科へと変わります。ぜひ参考に。

少し血液系の話から逸れますが…Caというのは生体内の反応において、筋肉の収縮や血小板の活性化に欠かせません。では、それぞれの組織に存在しているのはチャネルなのか、ポンプなのか、考えたことはありますか?チャネルは組織にCaを取り込みますが、ポンプはCaを外に放出させます。ではここでは絶対おさえておくべき3点を紹介します。

つまり、アデニル酸シクラーゼによりcAMPが活性化されて起こる反応は組織ごとに違うのです。
例えば、気管支平滑筋で考えてみましょう。今までは、’’β2受容体を刺激すると気管支は拡張する’’で覚えていたと思いますが、ポンプという概念を足すことにより、’’β2受容体を刺激する→Gsタンパク質の活性化→アデニル酸シクラーゼ(↑)→cAMP(↑)→Caポンプの活性化 →Caの平滑筋からの流出 →平滑筋の弛緩’’ これが細かく見たβ2刺激薬による気管支拡張作用になります。これが薬理を丸暗記から考える教科への変換への大きな一歩になります。

では、今の例えは気管支平滑筋でしたが、これを血小板に当てはめて考えて見ましょう。
まず、血小板に存在するのは…?Caポンプです。つまり、Gsタンパク質を刺激する薬が作用すれば血小板内のCa濃度は下がります=血小板活性化因子の放出は抑制されるのです。
ここまでは理解できましたか?


血管が障害されてから血小板が集まる仕組み

血小板の凝集の仕組みが理解できたところで、やっと薬の名前を覚えていく作業です。
そもそも、一次止血を抑制するには、一番最初に説明した3つの血小板活性因子を止めればいいのです。

ここでは、細かい薬の名前よりもそれぞれの作用機序についてメインに記します。

①TXA2産生を抑制する

アスピリン→アラキドン酸カスケードにおいてCOXを阻害することで最終的にTXA2の産生を阻害する。
オザグレル→TXA2合成酵素阻害でTXA2の産生を阻害する。
イコサペント酸エチル→アラキドン酸からCOXの変換に必要なホスホリパーゼA2を奪い取ることにより、TXA2の合成までの流れを阻害する。

②5-HT2受容体を遮断する

サルポグレラート→まず、5–HT2受容体の遮断は?
Gqタンパク質の抑制ですね。Gqタンパク質を抑制するとCaを放出させる要因であるイノシトール三リン酸(IP3)が抑制されます。よって、血小板はCaによる刺激を受けなくなり活性化は抑制されるのです。

③ADP受容体の遮断、PGI2の誘導、PDE阻害

さて、3つの異なる作用機序ですが、一気にまとめて記述します。…というのも結果的には同じ作用機序で血小板活性を抑制するからです。入り口は違いますが、最終的にはアデニル酸シクラーゼ活性→cAMP上昇→Caポンプの活性化→血小板内Ca濃度の減少→血小板活性抑制の流れに行き着くからです。

はい、このたった3つで一次止血薬の作用機序はおしまいです。
ここで、Gタンパク質受容体のゴロが活かされてくるんですね!薬理学は最初から全てストーリーになっているのです。Gタンパク質のゴロについては受容体の記事に載せていますので参考にどうぞ!

次回は二次止血についてです。二次止血は図を使って一気にマスターです。
今回のCaチャネルとCaポンプの考えはしっかり頭に入れておきましょう。


肝臓

上の図は、この記事が読み終わった後、自分で書けるようになる完成系の図です。先ほどは一次止血についてお話ししました。今からは、二次止血についてのお話です。まず、血小板の話とは全く関係ないので頭を切り替えましょう。ココでのポイントは、
①その薬は凝固系で働くのか、線溶系で働くのか、区別できること
②薬の名前は、シンプルに頭に入れること
以上の2点です。
ここからは、文章で綴っていきますが、しっかり上の図を追いかかけながら読み進めていってください。ちなみに、上の図では、青は反応の抑制を、赤は反応の促進を表してます。

まず、凝固系の反応とは、フィブリンが生成するまでの範囲の反応のこと。ここまでの範囲で作用する薬で出題されやすいのはATⅢに依存する作用なのか、それともダイレクトにトロンビンの活性を阻害してしまうのかです。これは1秒でマスター!→名前に「パ」がつけばATⅢに作用する薬。これだけです!実際に参考書を確認してみると良いでしょう。追記しておくと、ヘパリンはトロンビンへのATⅢに選択性があることです。それから、フィリノーゲンからフィブリンの変換を促進させる組織プラスミノーゲンアクチベーター(tPA ・uPA)を阻害する薬についてです。そもそも、tPAとuPAの違いとは…?血小板の血栓中のフィブリンに選択性が高いのがtPA循環血液中の血栓に作用するのがuPAです。もちろん、血小板選択性が高い方が出血リスクは低く__なります。tPAの作用を抑制するものとしてアルテプラーゼ、モンテプラーゼがあります。どちらもがつく→tPAのt と覚えてもいいですね。
uPAに作用するのはウロキナーゼです。uPAのウとuを掛けて覚えましょう。案外、薬の名前って単純なんですね〜。さて、ここまでは凝固系のお話でした。


次に線妖系のお話です。プラスミンはフィブリンを分解してくれる働きを持っています。
血栓溶解には欠かせない存在です。しかし、働きすぎは出血のもとです。よってここで覚えるのは止血薬として働くトラネキサム酸になります。トラネキサム酸はプラスミノーゲンからプラスミンに変換するのを阻害するのではなくプラスミノーゲンやプラスミンのそれぞれの活性を抑制する働きを持ちます。ここは引っかからないようにしましょう。抗凝固薬は問題文の言い回しが非常に厄介です。最後の文章まで目を凝らして読みましょう。

最後に、上の図には登場しない薬を紹介します。
これは、血管壁を増強することで血管抵抗性を高める止血薬です。

以上が血液系の薬のお話でした。
整理しながら勉強すると、意外と理解しやすい範囲です。何となく苦手意識も多いこの範囲を克服することは大きく自信にも繋がります。何と言ってもこの範囲は得点源なのです!
あとは、実務的な内容も加えて覚えておくと良いでしょう。
抗凝固薬は手術前は休薬期間が設けられますね。バイアスピリンをヘパリンで代用するのはヘパリンの半減期が短いため術前でもコントロールしやすいからです。アルテプラーゼは脳梗塞時と心筋梗塞時では使って効果的な時間が違いましたね!心筋梗塞は6時間以内、脳梗塞は4.5時間以内…薬理がマスターできたら次のステップへどんどん進んでいきましょう。




この記事を書いた人

あやちゃむ

薬剤師2年目の社会人。
薬学生時代は何を勉強すればよいのかわからず、模索し、独自の勉強法を確立。そして薬剤師国家試験に一発で合格。
このブログでは受験するうえで身につけた、合格のための勉強法を参考書の単元ごとにまとめていきます。

コメントする

残り8文字

残り512文字